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広島家の人々3

1 :代打名無し:02/09/15 21:48 ID:S8W86dwr
広島家の人々3

2001年元旦の中国新聞記事五人の誓いhttp://eekotoyo.s9.xrea.com/gonin.htmから
生まれた物語「広島家の人々」 2002年バージョン続編です。
最後のレスが当日なのを安心していたら、dat逝きしてしもたらしいので、もう一度(´Д`)

【過去スレ】
2001年後半型ビッグレッドマシン
http://mimizun.mine.nu:81/2chlog/base/kaba.2ch.net/base/kako/995/995963952.html
広島家の人々2
http://pekko.fc2web.com/kako/hiroshimeke2.htm
広島家の人々2.5http://sports.2ch.net/base/kako/1006/10068/1006825663.html

【過去ログ倉庫】
http://eekotoyo.s9.xrea.com/iriguchi.htm

2 :代打名無し:02/09/15 21:48 ID:vAjLoBEE
2げ

3 :登場人物その1:02/09/15 21:49 ID:S8W86dwr
前回載せた以外の登場人物の問い合わせもあったので、一応前作までと設定が
変わらない香具師はここに載せますた。
瀬戸は。。別の境遇となって再登場するかもです。

00:子犬のシマ
0:鯉城駅駅員木村
1:広島家用心棒前田
2:五男・輝裕
4:輝裕の親友兵動
5:漁師の町田
6:漁師の浅井
7:陸軍将校野村
8:父・浩二
9:刑事の緒方
10:知憲住職
11:竜士の一番弟子の子分・横松
12:河豚
13:キムチ
14:博樹の親友澤崎
15:長男・博樹
16:備前亭泰山、UFO仮面
18:佐々岡の爺
19:料亭長谷川の若旦那
21:銭湯の番頭 名古屋コーチン鶴田
22:甲斐の父   
23:次男・竜士
24:四男・貴哉
25:三男・貴浩

4 :登場人物その2:02/09/15 21:49 ID:S8W86dwr
26:“赤貧新聞”記者廣瀬
27:料亭長谷川奉公人・ピン
29:小林青年
30:マスター玉木
32:西山堂
33:鶏のロペ
34:UFO仮面の中の登場人物ヨシキ君
35:新米臨時教師松本
36:駐在所警官佐竹
37:高等学校の輝裕の友人岡上
38:前田の子分・朝山
39:“赤貧新聞”記者【・┏┓・】
40:料亭長谷川奉公人・倉
41:絵師森笠
44:郵便配達員福地
45:金本寺の仏像
47:エンドウ豆
49:ピエロのエディ
50:竜士の子分・栗原
51:前田の子分・末永
52:ベチの弟分・健太
53:車掌の林
54:テキ屋の兄ちゃん・ベチ
57:建の息子甲斐
58:竜士の子分・長崎
63:料亭長谷川奉公人・鈴衛
64:竜士の子分・井生
65:知憲住職の酒の番人・石橋
66:お地蔵矢野
67:浅井の息子大輔
68:広池

5 :広島家の人々番外編 桃源郷への道1:02/09/15 21:52 ID:G6EueWA9
真夏の日差しが容赦なく地面を照りつける。
「ふう・・・。」
今まで手にしていた鍬を投げやりにほおって、広島家の長男・博樹は首に巻いていた手ぬぐいで無
造作に顔の汗を拭った。自然にため息が漏れる。
「今年も結局、トントンで終わったのか・・・。」
ボーッと目を細めて、博樹は自分が耕している畑そして遠くに見える青い海をゆっくりと見回した。

─── 昭和1X年 ───
博樹が村長をつとめる緋鯉村の宝を巡っての広島家と高利貸し邪毘屋の騒動は、刑事の達川や
緒方のおとり捜査もあって、2年前に邪毘屋の徴兵詐欺事件として終息を迎えた。あの時発見
された緋鯉村の宝、広島家に代々伝わる「黄金の樽」は、村長博樹の手でもう一度土の中に
埋められ、博樹以外その所在を知るものはいない。これが広島家の家督を継いだ者、緋鯉村を
束ねる者に定められた掟だと、重々しく発した前田の言葉が今でも昨日のようになまなましく
耳の中に残っている。
4人の弟たちとは、あの事件からそれぞれ違う道を歩みはじめていった。今、緋鯉村に残っている
のは、金本寺の知憲住職のもとで修行を続ける三男の貴浩のみである。いや、もう一人いた。
大陸で戦死したと思われていた父の浩二が、無事に広島家の兄弟のもとに帰ってきたのだ。

6 :広島家の人々番外編 桃源郷への道2:02/09/15 21:54 ID:G6EueWA9
だが浩二は、往年大いなる存在感で緋鯉村を支えたあの父とはまるで別人となって、兄弟たちの
前に現れた。兄弟たちや使用人佐々岡の爺の献身のリハビリもあって、身体は人並みの生活を
おくれるまで回復した。しかし、やはり父は元の父ではなかった。あの事件の後、本来ならもっと
豊かな暮らしをおくれるはずの広島家が未だ微妙な状態に置かれているのは、ひとえにこの浩二の存在にあるといっていい。すべてが変わった中で自尊心という感情だけが昔のまま残されて
いるのだろう。博樹の知らぬうちに隠居の父が勝手に口出しをして、入るはずの収入がご破算に
なることが何度も起こった。我慢に我慢を重ねた博樹も今日にいたってブチ切れ、無言で鍬を
持って広島家を飛び出してしまった。きっと、佐々岡の爺は広島家に残って、懸命に父をなだめて
いるのだろう。
「フン」
博樹はまるで子供に戻ったように憤然と地面にあぐらをかいた。目の前に、太陽に照らされて
黒々と光るナスの実がぐっと博樹の視界の中に入る。
「このナスの収穫で、輝裕の仕送りを工面できたらいいんだが・・・。」
博樹はたわわになっているナスを祈るように握った。

「あっ、いたいた!よかったよかった博樹さん〜!」
あの事件の時から、忘れた頃に何度もやってくる例の声が聞こえてくる。
「・・・・・・ネタ切れか?」
両手にナスを握ったまま、胡散臭そうに博樹はヒゲづらの人物に顔だけ振り向いた。
「い、いやだなあ、博樹さん。」
相手の人物“赤貧新聞”の記者小山田はギクッと冷や汗を流してそらぞらしく博樹の追及から
視線を外した。

7 :広島家の人々番外編 桃源郷への道3:02/09/15 21:56 ID:G6EueWA9
思えば、この“赤貧新聞”との付き合いからも緋鯉村の様相はガラッと変わった。緋鯉村の宝を
巡って兄弟たちがあれこれ模索している時に金本寺に現れた新米記者の廣瀬。倒産寸前の貧乏新聞
社を救うため、起死回生のスクープを求めてやってきた彼と、緋鯉村の宝のことでこれ以上邪毘屋
のような輩が現れないようマスコミを利用しようした博樹。両者の思惑が噛み合って、緋鯉村は
むやみに触れようものなら身の破滅を招く祟りの村として全国的に有名になったが、
だが、クスリが効き過ぎた。昨今の伝奇ブームにのって予想以上に新聞が売れたことに気を良くし
た“赤貧新聞”側が、第2弾、3弾と調子にのって誇大妄想ウソ八百緋鯉村特集の関連本を出版し、
それによって迂闊に近寄ってならない禁断の村として固定イメージが定着してしまった
のだ。気づいた時は遅かった。もともと緋鯉村を知る人々との交流は何とか続いたが、それでも
緋鯉村は慢性的な嫁不足に陥った。村長の博樹ですら、すったもんだの末たった一枚送られてきた
見合い写真で何とか結婚できたくらいだ。だが“赤貧新聞”は、それもしっかり伝奇もののネタに置き
換えて自分たちの新聞の記事にした。しかも、この新聞に特集される村の人間は、何故か本物の
呪いで不幸におちいるオマケまでついてきた。手を切ろうと思っても無駄だった。
未だ貧乏と隣り合わせの緋鯉村や広島家は、関連本の印税もあてにしてやっとトントンの財政状態
だった。そして逞しい記者根性と金の元になるネタを求めて、忘れた頃に“赤貧新聞”の記者は緋鯉
村にやってくる。最初は新人記者の廣瀬だったが、今では編集長の小山田みずからやってくる。
もはや両者は切っても切れない一蓮托生の運命だった。
「で、今度はなんなんだ。」
黒光りのナスに視線を戻して、ボソッと博樹はつぶやいた。相手が不機嫌でないか、手ぬぐいで
顔の汗をふきながら、チラッチラッと覗きみていた小山田は、顔色も変えず無表情でナスを見つめる
博樹にホッと胸を撫でおろして、ふところから一枚の紙を博樹に差し出した。

8 :広島家の人々番外編 桃源郷への道4:02/09/15 21:58 ID:G6EueWA9
「これは・・・・・。」
予想外の内容のチラシに目を丸くした博樹は、その下に書かれた住所に顔色を変えた。
「これは、あの邪毘屋があった街のチラシじゃないか!」
コクンと小山田はうなづく。博樹はもう一度マジマジとチラシを見た。そこには
あの邪毘屋のイメージとは似ても似つかぬ内容が記載されている。だが、よりにもよって
「野菜の品評会」のご招待とは。
「あれから邪毘屋も随分と変わったんすよ。例の徴兵詐欺事件で当時のおエラ方がみんな
逮捕されたっしょ。それから経営者が変わりましてね。金にあかせた前のやり方はすっかり
影をひそめて今ではあるものを育てて自分たちを向上させていく方針らしいっすよ。
で、その一環の一つとしてはじめたのがその「野菜の品評会」。地元でも好評なようで
今では邪毘屋はあそこで「慈愛の邪毘屋」と呼ばれてるらしいですぜ。」
博樹は呆然とチラシを見つめた。

9 :広島家の人々番外編 桃源郷への道5:02/09/15 22:00 ID:G6EueWA9
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 さて、私が主催者として初めて迎える品評会ですが、その前に私がこの街ばかりでなく
他の村の方々にも参加を求めた理由を簡単にお話ししておきたいと思います。
 野菜はたくさんの農家の皆さんの労働に支えられて成り立っている農作物です。それぞれの
方々が、野菜作りの楽しみ方をお持ちでしょう。「なぜ、あの場面でああいう手当てをしたのか」
「なぜ、あの野菜の品種はよかったのか、ダメだったのか」など、いろいろな疑問があるでしょう。
例えば、出荷するにあたり、秘密にしなければいけなかった野菜の病気の事情などがあります。
消費者の品質的な評価や、精神的な評価もあります。
私がこのような機会を作ったのは、こうした野菜作りに携わるみなさんの苦悩にお答えしたり、
説明できることについては自分の言葉で誤解のない説明をしたりする場が欲しいと思ったからです。
もちろん、野菜作り以外のことについても、野菜を作る農家の皆さんの交流が深まるような場を
作っていくつもりです。
野菜作りを続けていく際に、楽しみが少しでも大きくなってくれれば幸いです。

─ 斎藤君!セイロク!玉川のほとりで、君が手塩にかけて育てた真っ赤なトマト、忘れません ─
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「・・・・・・。」


10 :広島家の人々番外編 桃源郷への道6:02/09/15 22:03 ID:G6EueWA9
しばらくの間、言葉をなくしたままチラシを見つめる博樹を見ていた小山田だったが、手ぬぐいを
ズボンのポケットにねじ込んでパンと両手で叩くと、スタスタ自分も畑の中に入っていった。
ハッと気がついて、横でじっくりとナスの出来あいを見る小山田へ振り向いた博樹に、小山田は
淡々と言葉を発した。
「どうです、博樹さん。その品評会に広島家から参加してみませんか?」
博樹はすぐにかえす言葉がなく、半分呆けた顔で小山田を見つめた。
「生活の糧ばかりに追われてとか、家長だからと何でも責任を背負って農作業をするもんでも
ないと思うんですよ。もっと同じ農作業するなら、張り合いがあった方が楽しくないですか?
自分の作った農作物がどれだけ世間に通用するのか。ただ売るだけではもったいない。あの
品評会に出した野菜は、中には出品した農家の野菜だからという理由で通常より2倍や3倍の
値段で買ってくれる上流階級のお得意さんもいるそうですわ。博樹さんが作ったこのナスだって、
そうそう悪いもんじゃないっすよ。どうですか、今でも金繰りに困っているなら本業の農業で
稼げる方向を考えてみるのは。」
博樹は、もう一度自分が作った黒々と照り光るナスに視線を戻した。小山田の言葉には生活に
追われ、自分がすっかり忘れていた何かがこめられているような気がした。それに、もし品評会に
出品して、自分の作った野菜が高い評価を受けることになれば、前より金のやり繰りに苦しまなくて
済むようになる。彰裕も気兼ねすることなく高校生活をおくれるようになる。それにチラシの中に
書いてあったある言葉が博樹の心に刺激を与えた。

─── 野菜作りを続けていく際に、楽しみが少しでも大きくなってくれれば幸いです。

「楽しみ・・・かあ。」
手にした黒光りのナスがだんだん輝裕の顔つきに変わっていった。博樹の顔から笑みがこぼれた。


11 :広島家の人々番外編 桃源郷への道7:02/09/15 22:05 ID:G6EueWA9
博樹の変化にすかさず小山田はポンと手を叩いて、話をどんどん進めていった。
「じゃあ、邪毘屋の街での品評会は来週の土曜日ということで!あっ、出品するなら絶対そのナスで!
博樹さんがこだわりを持っているエンドウ豆、あれはダメダメ!食えたもんじゃないっすよ。」
ニカッと笑って畑を後にしようとする小山田に、片手を伸ばして博樹は呼びとめた。
「おいっ、今度のブンヤの狙いは何なんだ。まさかこれも伝奇ネタにして関連本を作るつもりか?」
フッと少し悲しそうな顔で、小山田は首を横に振った。
「いや、最近あのシリーズも読者に先をよまれて、売上がガタ落ちになってしまったんすよ。だから
方向を変えて新ネタで勝負しようと思いましてね。祟りの村のイメージばかり先行した緋鯉村が、
満を期して新たな品種の農作物を作り上げた感動のドキュメント。どうっすか?お互いのために。
どうせうちの新聞と緋鯉村は一蓮托生の運命っすから。」
そういうと片手をあげて手を振り、それじゃ来週の土曜に!との言葉を残して小山田は駆け去って
いった。

博樹はあわてて畑に置いてある農具を片付けると、鍬をかついで丘の上の畑から海沿いの道に
向かっていった。何だか忘れていた心がわくわくするような出来事に出会えるような気がする。
港の近くの岸壁では、なぜか漁に出かけて留守にしているはずの町田が、のほほんと穏やかな
笑みを浮かべて釣り竿を垂らしている。あれっ、浅井さんと一緒だったはずじゃあ?不思議に
思って町田に声をかけようとした博樹の顔がこわばった。

ビチャ

痩せこけた河豚が岸に打ち上げられる。何も見なかったことにして、全速力で博樹はその場を
後にした。


12 :代打名無し:02/09/15 22:07 ID:G6EueWA9
やっぱ、この手のスレはほんの少しでも続きを書いていった方が安心ですね。
まさか当日のレスが最後でdat逝きになるとは考えが甘かったっす(´・ω・`)
がんがって、早めに続きが書けるしようにします。

次回は(・ ε ・)と岡上登場シーンからスタートです。

13 :代打名無し:02/09/15 22:49 ID:V+WxUdbk
がんがってくださーい、楽しみにしてまつので。
dat逝きになったんですか、早いな・・・

14 :代打名無し:02/09/16 11:53 ID:dBIFrVyO
sage保守くらいなら御協力出来そう

15 :代打名無し:02/09/17 00:17 ID:M2tRxozw
保全sage

16 :代打名無し:02/09/17 02:45 ID:HQIw7Tti
新作を待ちつつ保守sage

17 :代打名無し:02/09/17 03:58 ID:HU+pQ1+9
ううむ、単独スレでやるのはつらいのかもしれんな。
バトロワの続きやその他の広島関係文章で守っていくのもいいと思うけど、
どうかな。(カーサ姫とか名作ができたりして)

18 :代打名無し:02/09/17 12:21 ID:pKtDIRu0
とうとう圧縮が500→400になったのか。こりゃシーズン終了まで大変そうだなあ(´Д`)
19日には続きをちょとうぷできるようにがんがりますので、もう少しお持ちくらさい。

>>14-16
お願えできますでしょか。今が一番身動き取れのうて・・・。すんまへんm(_ _)m

>>17
そうっすね。バトロワについては書いてる64さんの意見を聞かんことには、
おらから迂闊な発言はできまへんが、他のかたでかぷ系文章ネタを書きたいひとは
どうそ使ってくらさっても全然かましまへんす。

19 :代打名無し:02/09/17 22:17 ID:AL6zOxwa
ご協力にならんかもしれんが保全sage

20 :代打名無し:02/09/18 00:06 ID:aI/Qnr+q
今日も板が飛び気味ですね
念のため保守sage

21 :代打名無し:02/09/18 10:46 ID:nKNtJASl
ageはしなくていいよね?

22 :代打名無し:02/09/18 22:02 ID:Rlp4CTTv
また来ます。捕手。

23 :代打名無し:02/09/19 00:50 ID:9+R8E0U9
念のため( ̄木 ̄)

24 :代打名無し:02/09/19 11:17 ID:qIDqtsM8
(・ ε ・)ウヒョー

25 :代打名無し:02/09/19 13:01 ID:OkSe4H8v
(・ 鏡 ・)登場期待sage

26 :代打名無し:02/09/19 16:23 ID:nGXe6wOE
(・ ε ・)キャハ

27 :代打名無し:02/09/19 16:42 ID:XogAZfmZ
(・ ε ・)ageなくては

28 :代打名無し:02/09/19 20:45 ID:cJZbJ/zP
あの・・・・・
チビはどこですか?

29 :代打名無し:02/09/20 01:22 ID:3odlyXdr
スレが500こえたので( ゚ ) ε ( ゚ )


30 :広島家の人々番外編 桃源郷への道8:02/09/20 03:17 ID:zGVLLTGp
ガチャーーン
威勢のいい陶器の割れる音がする。
「はい、これはまた輝裕くんの給金から天引きね。」
マスターの玉木は、手馴れたしぐさで流しの横に張られた紙に正の字の一画を加えた。
しまった・・・。輝裕はくやしそうに顔をしかめて割れたコーヒーカップを見下ろして
うなだれた。
「なんだ輝裕、またやったのかよ。」
半分からかい気味の笑いをこらえた表情で、店のテーブルを吹いていた岡上が輝裕の
もとに駆けよる。
「岡上くん、きみも人のことをいえない。」
玉木は、わざと抑揚のない口調で、持っていた鉛筆を輝裕の下に書かれた岡上の記録に
ポンポンとあてた。
「はい・・・。」
岡上もシュンと申し訳なさそうに下にうつむいた。

輝裕がマスターの玉木の店に住み込みで働くようになって、二年目の夏が過ぎようと
していた。今こうして「広島輝裕」と一緒に仕事をしながら、同じ高等学校に通うように
なった縁を、岡上はしみじみ不思議なこともあるもんだと感じていた。思えば、金に困って
橋の上でバイオリン弾きをしていたとき、玉木と出会った。このときから今に続く不思議な
縁は始まっていたのかもしれない。行方不明の父を探して店にやってきた少年甲斐とともに
岡上は緋鯉村を訪ね、そこで同じく姿を消した広島輝裕の名を何度も聞いた。その輝裕が今、
目の前にいる。

31 :広島家の人々番外編 桃源郷への道9:02/09/20 03:19 ID:zGVLLTGp
「また兄ちゃんに質流れでいいコーヒーカップがないか、聞きにいかなくちゃ・・・。」
大通りを二人並んで歩きながら、輝裕は手のひらにのせた小銭を数え、肩を落とす。
「輝裕のおかげでモナの猛虎屋も大繁盛だな〜。」
岡上の言葉に、輝裕はそのままプクーと頬をふくらませた。クスクスと岡上は苦笑した。
隙だらけである。まさか、こうも子供っぽいしぐさもする奴だったとは身近につきあう
ようになるまで想像もしなかった。偶像が一人歩きしていただけだったのか。輝裕が
高等学校に入学したばかりの頃、出席日数が足りず留年してムキになって対抗しようと
した自分が何だか馬鹿らしくなった。
「岡上はこれから授業に?」
「ん、今日は教授の都合で片っ端に休講の張り紙が貼ってあったからさ、いいよ。一緒に
猛虎屋に俺も行くよ。」
輝裕は、「ありがと」と小声でいうと、急にスタスタと早足で歩きはじめた。
きたきた!これだよ、これ!
岡上はフフンと笑うと、眉をひそめて周りを見回すとそそくさと輝裕の後ろについた。
「相変わらず味方も多いが敵も多いな。今日は・・・あれか、あのアカか?」
ひそひそと輝裕に声をかけた岡上に、輝裕は苦虫をつぶしたような顔でコクンとうなづく。
もう一度岡上は、ぐるりと周りを見回した。その時
「あれ、広島くんと岡上くんじゃないか!」
緊迫した雰囲気を一変させる声が、通りの向こうから聞こえた。反射的に二人は
声の主に振り向いた。
「建さん!」
買い物帰りなのか紙袋を持った建が、ニッコリ笑って二人に手を振っていた。

32 :代打名無し:02/09/20 03:23 ID:zGVLLTGp
前作のように5人主役にすると、どうしようもなく長編になるんで、
この話の主軸はあくまでも[・ ε ・]であると。
この辺が前作と雰囲気が違うかもしれんすね。
いや、今回も5人主役で書いてみたい欲求もあるんやが・・(つД`)

(・ 鏡 ・)が前作と違う雰囲気で登場しますた。ついで(’。’)も再登場。
新たな職業をやっております。今度の(’。’)はカコいいかもしれないよ。

33 :代打名無し:02/09/20 14:08 ID:A8F1tWQa
(’。’)再登場ヤター

34 :代打名無し:02/09/20 21:51 ID:2fAVNgpn
(・ ε ・)

35 :代打名無し:02/09/21 00:33 ID:9DAoqA5A
うげぇ、(’。’)が背筋痛で登録抹消とは何なんよ。そりゃ(´Д`)
どこまで暗くなっていけば気が済むんじゃろ。エーンエーン

>>33
せっかく先発になってからの(’。’)を描いてみようかと思うてたんに
これじゃよ(鬱 

>>34
ごめんよ。まだ出だしの段階で小悪魔モードにはなっとらんのよ。じきに
変化していくで、もちっと待ってくんさい。前作とのつながりでなかなか
すぐにこうという描き方ができなくてのぅ・・・


36 :代打名無し:02/09/21 06:39 ID:LI1Hx/kj
保全、澤ザクも出番あるかな?

37 :代打名無し:02/09/21 11:41 ID:3VctFFvo
>>35
(・ ε ・)「ありがと。期待してるよ!無理しないでね!」

38 :代打名無し:02/09/21 20:58 ID:/Ow5GcQc
age

39 :代打名無し:02/09/21 23:57 ID:v6BqOgyK
(ノ´鶴`)ノ

40 :代打名無し:02/09/22 12:58 ID:zkyFwk5r
保全しておく

41 :代打名無し:02/09/22 22:20 ID:vI+42svb
こまめに( ̄木 ̄)

42 :代打名無し:02/09/23 09:54 ID:Hibft3Em
1日1(・ ε ・)プップクプー

43 :代打名無し:02/09/23 23:20 ID:+0+OS99q
( ̄∀ ̄)ノ 

44 :代打名無し:02/09/24 11:54 ID:TqmIn7cQ
(‘Å’)人(─┌) デース

45 :代打名無し:02/09/24 17:07 ID:o7xwANsc
( ̄粗 ̄)ノ

46 :代打名無し:02/09/24 17:15 ID:IfgkUGso
jb

47 :代打名無し:02/09/25 00:20 ID:yuywYxO5
スレ乱立中念のため保守sage

48 :代打名無し:02/09/25 12:29 ID:k6lPcwlI
いつもいつも捕手ありがとうございますm(_ _)m
次回ぅぷ予定でやんすが、29日にでも。なかなかぅぷできなかった分
挽回できるよう長めに書き上げてぇと思うてますで、もうちぃとお待ち
くらさい。

49 :代打名無し:02/09/25 15:57 ID:5yR4/WR/
( ̄粗 ̄)ノ「楽しみにしてますよ!ありがとうですよ。」

50 :代打名無し:02/09/26 14:48 ID:T2yk62FK
( ´鶴`)・・sage


51 :代打名無し:02/09/26 21:47 ID:WWzqgoMi
保守sageでつ。

楽しみにしてますよ〜。野球板こんな状況ですが、がんがってください

52 :代打名無し:02/09/27 01:26 ID:JXBM7sbi


53 :代打名無し:02/09/27 02:42 ID:Nmwxe76u
もうそろそろageやんと

54 :代打名無し:02/09/27 18:26 ID:FTFHQYiS
( ̄瀬 ̄)捕手

55 :代打名無し:02/09/28 02:00 ID:5v6yQpfZ
ほっしゅっしゅ

56 :代打名無し:02/09/28 10:37 ID:Z+meniqW
   

57 :代打名無し:02/09/28 17:39 ID:PcbjnGBj
ログ整理近そうなので保守

58 :代打名無し:02/09/29 01:41 ID:MKFeVPjB
念のためほしゅしておこ

59 :代打名無し:02/09/29 16:16 ID:Wavj481F
>>11
エンドウ豆はついに・・・

60 :広島家の人々番外編 桃源郷への道10:02/09/30 00:41 ID:1B383poN
輝裕と岡上は笑顔で手招きをする建のもとに、そわそわしながら駆け寄った。
建はそんな二人の態度にまったくかまわず、紙袋から真っ赤なトマトを取り出すと
ハンカチで軽く拭いて、二人に一個ずつ手渡した。
「あ、あの・・・建さん。」
建の行動の意味がわからず、とまどいながら岡上は建の顔を見上げた。だが建は、
笑顔のままでコクンとうなづくと、岡上と輝裕にこういった。
「まだ甲斐は中学校から帰ってきてないけどね。岡上くん、きみもボクの店に一緒に来ないか。
それと輝裕くん、きみに渡そうと思っていたものが昨日ちょうどできあがったんだ。」
それだけで輝裕には意味がわかったらしい。顔を引き締めて丁寧に頭をさげると、そのまま
ゆっくりと歩きはじめた建の後をついていった。
岡上がその場に一人取り残された。四方から感じる見えない不気味な視線と、遠ざかっていく
二人の姿をキョロキョロと何度も振り返りながら、岡上の顔から冷や汗が流れはじめた。
「お、おい。二人とも待ってくれよ!」
先を歩いていた二人のうち、建が悠然とふりかえって意味ありげな笑みをこぼした。


二年前の建がどういう立場にいた人間だったか。建の息子甲斐と一緒に緋鯉村で建を探して
いた岡上は知っている。そして、その時同じく緋鯉村で行方不明だった人間が輝裕だった。

61 :広島家の人々番外編 桃源郷への道11:02/09/30 00:42 ID:1B383poN
二年前の建がどういう立場にいた人間だったか。建の息子甲斐と一緒に緋鯉村で建を探して
いた岡上は知っている。そして、その時同じく緋鯉村で行方不明だった人間が輝裕だった。

あの時の岡上は、建と輝裕には何かつながりがあるのかもしれないと仮定をたててみたが、
しかし、それはまったく偶然だった。だが、その二人が今、意味ありげに何か行動をおこそうと
している。二人をつなぐものは緋鯉村・・・広島家・・・そして・・・
「俺、また緋鯉村の変な騒動に巻き込まれるのかな・・・。」
まだ後ろからねっとりとした視線のようなものを感じる。何やら自分が想像していたものより
大きな勢力が裏に隠されているのではないか。
「岡上くん、遠慮しないでそのトマト食べていいよ。」
「は、は、はい。」
不意うちに突然建に声をかけられて、岡上の声が裏返った。輝裕はさっきより落ち着いた表情で
相槌をうつように建の言葉にうなづく。思わずトマトを片手に握ったまま、岡上は固まった。
トマトが指の圧力で汁がこぼれそうになった。
「さあ、着いた。」
建はカーテンのしまった店の玄関の引き戸を開けると、輝裕を店の中に入れた。
「岡上くん?」
身動きせずトマトを握ったまま呆然としている岡上に、建は苦笑して声をかけた。
「は、ははははははは、はい!」
あわてて返事をした勢いで、トマトがグシャッとつぶれた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
白いシャツや制服に真っ赤なトマトが容赦なく飛び散る。建はクスクス笑って、頭がパニック
状態になっている岡上の腕をひいて、店に入っていった。

62 :広島家の人々番外編 桃源郷への道12:02/09/30 01:59 ID:1B383poN
輝裕はグルッと店のまわりを見回した。高級そうな布地がいたるところの壁に飾られている。
そして支柱には何十着もの既製品のスーツが所狭しとかけられていた。
「うまく商売は繁盛しているようだね、建さん。」
はじめて輝裕は茶目っ気たっぷりに笑った。
「ああ。」
建は奥の部屋から和紙にくるまれた包みを持ってくると、店の大きな机の上で開いた。
輝裕は息をのんだ。真新しい高等学校の制服がそこにある。
「今年も広島家はやり繰りが大変そうだからね。輝裕くんの夏の制服をもう一着作っておいたよ。
輝裕くん、きみの制服は今着ているその一着だけなんだろう、だからね。」
輝裕は建の仕立てた制服を手にとった。
「やっぱり達川さんたちには、うちの状況なんかまるまるバレてるんだ。」
寂しげに輝裕は笑った。そして制服をもう一度和紙に包むと建に頭を下げた。
「これからもお世話になります。今度はボクが建さんや博樹兄ちゃんに続いて“担保”になる番
なんですよね。やります。きっと達川さんや緒方さんたちの力になれるようになります。」
“担保”と聞いて、店の中でもトマトだらけで固まっていた岡上が目をひんむいてクルッと
振り向いた。
「た、担保って・・・。そ、それはあの二年前の・・・!」
と、叫んでいるうちに、やっと建の店の意味に岡上は気がついた。
「そういうこと。岡上くんもここまで事情を知っているんだから、どう?協力してくれたら
岡上くんの制服も作ってあげるよ。」
建は邪気のない笑顔でニッコリと顔をくずした。

63 :広島家の人々番外編 桃源郷への道13:02/09/30 03:19 ID:1B383poN
だんだん岡上の頭の中でもつじつまがあってきた。だいたいこんな殿様商売のような雰囲気の
店で、一度商売に失敗して借金まみれ、担保の身の上にまでなった建がうまく経営などできる
わけがない。建の性格ならきっと、正規の商売では大きく儲けの出た取引もあった代わりに、
それを差し引く以上の大損もたんまりこさえたはずに違いない。なのに店が順調に維持されて
いるということは、経営が成り立つだけの裏取引がやっているということだ。その相手はあの
邪毘屋徴兵詐欺事件の捜査にあたった刑事の達川と緒方たち。そして今度狙う獲物は・・・
「だから、輝裕にあのアカたちが寄ってくるのか・・・。」
現在の社会体制を打倒し、共産主義を打ちたてようとする活動家を完全につぶすことが、今の
警察にとって一番の至上命令だ。で、それらのネズミをおびきよせる囮が輝裕、そして建の店・・・
「プッ」
突然、輝裕が腹をかかえて笑いだした。
「かなりマジに受け取ったんだ、岡上!」
そしてプププッと何度も笑いをこらえようとしながら吹きだして、岡上を指さす。岡上の目が
点になった。建が苦笑いしながら、甲斐の服を持ってきて岡上に手渡した。
「だ、だって今度は輝裕が“担保”になるってさっきいったじゃないか!それは・・・」
「うん、なるよ。」
輝裕はケロっと答えた。
「でもさ、こっちだって今までアイツらにいいたい放題やられてきたんだから、キッチリ復讐しなきゃ
気が済まないよ。アイツらをおびきよせたら、こうして援助してくれるって達川さんたちはいうし、
それで博樹兄ちゃんの負担が減ったら願ったりかなったりじゃないか。利用できるものは利用
しなくっちゃ。」
唖然と岡上はあっけらかんとしゃべり続ける輝裕を見つめた。

64 :代打名無し:02/09/30 03:31 ID:1B383poN
このパートは今日中に書き終えたかったが、ダメじゃったか(´・ω・`)
タイムオーバー(鬱
次回は、今週水曜か金曜どちらかでうぷ予定だず。

(・ ε ・)の出番が終わったら、少し( ̄粗 ̄)を登場させて[・ ε ・]
主人公に戻ります。あんまりこの話は長丁場でやりたくないで。
さっさと終わらせられるようがんがらねぇと。
(現在進行に近い設定はキツいというのが、今さらながらわかったっす。
(’。’)は登録抹消、[・ ε ・] はいまいち不甲斐ねえし、やりにくいぜよ、
ホンマ(´・ω・`))

>>59
ェンドウ豆には、読んだひとがホッとできるラストを用意しますた。
おらはギリギリになってはじめて生ェンドウが見れたが、割と好感もてる
香具師で気に入ったよ。よそでうまく拾われたら応援するよ。
がんがれェンドウ!

65 :代打名無し:02/09/30 08:38 ID:mgsnFm+s
(丶 ̄栗 ̄)フゴー

66 :代打名無し:02/10/01 00:40 ID:rRJsQj0T
( ̄粗 ̄)ノ「新作うp乙ですよ。続きも楽しみにしてますよ!」

67 :代打名無し:02/10/01 23:11 ID:p6R5pB0z
早くストーリーも本題に入れたいんだが、こんな感じでホンマすまんです。

>>65
今やっている番外編は出番を作りにくいが、( ̄∀ ̄)とハセガーの続編には
登場させるよ。もちっと待ってな。

>>36
ザクはのぅ。どうしようか・・・。できたら出してみたいのは[・ ε ・] の中学時代、
( ̄∀ ̄)不良時代97年編でストーリーが出来とるんじゃが。これ以上やれる
かなぁ、時間的に。考えさせてくらさい。今の話で出せそうな余裕があったら
出番作ってみます。

68 :代打名無し:02/10/02 13:29 ID:dqy1FHI4
ログ整理回避sage

69 :代打名無し:02/10/02 17:53 ID:8pHOhyyg
age 

70 :代打名無し:02/10/02 23:33 ID:iLpE3MI2
そろそろログ整理保全sage

71 :代打名無し:02/10/03 07:37 ID:nywYgMaq
               
     ___∧,,∧ ゴホ  
  ∬ (  (⌒ (Y8K) -3 
  旦  \ ヽノ( ,,⊃⌒⊃ヽ .  
.        \ //;;;::父:::父::\
        ( (:::;;父:::::父:::父::::\
           \\::;;;父::::父:::父::::\

72 :代打名無し:02/10/03 22:20 ID:rSkb1fPx
age

73 :代打名無し:02/10/04 12:18 ID:VFIdFRKQ
まだログ整理がないのか

74 :代打名無し:02/10/04 23:28 ID:2Uw4Cjz2
すんまへん。今日続きを書く予定ですたが、まだやらねばならんことが
ありますて、続きは明日の夜うぷになりますm(_ _)m 

今夜は[・ ε ・] 10勝目至福の余韻にひたる
そういや一昨年も10月4日に勝ったな[・ ε ・] v


75 :代打名無し:02/10/05 12:49 ID:lue0R1dw
477ってのはageた方がええのかな?

76 :代打名無し:02/10/06 06:18 ID:w+tO3jbB
保守〜

77 :代打名無し:02/10/06 11:26 ID:Gwymhffp
The捕手 西山

78 :代打名無し:02/10/06 22:02 ID:CFmb5JHN
「最近ね、この街で不穏な結社の動きが何度も緒方さんたちに報告されているんだ。」
水のつかった桶に岡上の服を入れて、建は落ち着いた声で説明をはじめた。岡上は
甲斐の服をすばやく着込むと、真顔で岡上の服の洗濯をはじめた建に視線を向けた。
「昔はこの辺りの危険分子といえば、輝裕くんを誹謗したりして緋鯉村をのっとろうとした青野や
毛上のような左翼のグループが中心だったけど、今はそればかりじゃなくてね。陸軍の派閥
争いの飛び火やら、革命を起こすと暗躍する“妖怪”と名乗る組織やら・・・」
「治安維持法・・・違反・・・特高ですか。」
岡上の言葉に、わざと無表情なそぶりで輝裕が振り向いた。建は静かに首を横にふる。
「そことは組織も違うし、あそこまで恣意的に人間を釣るつもりはないよ。ただ、このまま
ほおっておくわけにもいかなくなってね。」
外で突然慌しい乱闘のざわめきが起こったかと思うと、あっという間に警察の怒号と警笛の
音とともにそれらは消え去っていった。建はふうっとため息をついた。
「あいつらだけなら、別にどうってことはないんだよ・・・。でも、もうあの頃とは時代が
変わっている。」
まだ岡上には事情がつかめない。
「軍部によるテロが一触即発の状態なんだ。この国を大きく変えるほどの。そうなったら完全に
ボクたちは国が滅びるまで戦争に突き進む。」
抑揚のない口調で輝裕はサラリといった。
「一度つかんだと思った夢と希望を見失ったとき、事態を打破しようと今まで存在していたものを
やみくもに否定するのは世の常だよ。だけど・・・。」
建は洗い終えた岡上の服を物干し竿に軽くひっかけた。
「ああ岡上くん、そこの袋にまだたくさんトマトがあるから遠慮しないで食べてくれよ。」
また元の笑顔で建が声をかける。どう反応すればいいのか、どよ〜んと暗い気持ちに襲われ
ながら、岡上はゆっくりと紙袋の中からトマトを取り出した。

79 :↑広島家の人々番外編 桃源郷への道14:02/10/06 22:12 ID:CFmb5JHN
ミスった。この時点ですでに予定通りに話が展開されなくなってしまった。
さらりと岡上、(・ ε ・)、(’。’)のシーンは済ますつもりが、ここで
説明しきれなくなるわ、必要以上に重い話になってしまうわ(´・ω・`)ショボーン

でも今のところこれ以外やりようがないんで、種まきしながら次のシーンへ
移行します。(今日はもっと先まで続き書きます。)
前回から設定が昭和前期でやっておりますで、ちらほらと昭和の話題が出てきます。
特高のことはわかるでしょと。軍部によるテロは後の二・二六事件だす。
しかし、今のかぷの状態とこの時期がマッチしていくのもなんだかなぁ(つД`)
アジア大会もなんだかなぁ。明るい話題щ(゚Д゚щ)カモーン

80 :広島家の人々番外編 桃源郷への道15:02/10/07 01:22 ID:nHxilBTx
まだ空の色はうす暗い紫色にくすんでいた。博樹は、周りの人間に気づかれないように
音を立てず布団から抜け出すと、壁に立てかけてある置き時計に目をやった。
「朝4時30分か・・・。」
これならゆっくり畑でナスの選定をしていても、朝一番の汽車に充分間に合う。博樹は小躍り
するように土間に駆け下りると、壁にかけてあった鎌と籠を手にとり、外に飛び出した。
と、その時、離れの建物からスッと引き戸が開き、一人の人間が静かに庭先に現れる。
「爺・・・。」
そのまま博樹は次の言葉をうしなった。佐々岡の爺は心配そうにじっと博樹を見ている。
「爺、そんなにオーバーに考えなくてもいいって。これは俺が好きでやっていることだし、
もう親父のことも全然こだわっていないからさ。」
あわてて、その場をつくろうように博樹はおどけてみせたが、佐々岡の表情は変わらない。
「本当に無理してらっしゃってないんですね、博樹坊ちゃん、本当に! もう私はこれ以上
広島家の人間が無理をしてすべてを失う姿を見たくないんですよ。」
半分怒りをためた表情が爺に加わる。ハッと博樹の顔色が変わった。
「・・・うん、わかってる。」
うなだれる佐々岡の爺に、やさしく博樹は肩に手を置いた。
「わかっている・・・。」

佐々岡の爺をなんとかなだめて畑に向かい、ナスを収穫して鯉城駅に辿り着いた博樹に
思いがけない人物がおどけた様子で出迎えた。
「よっ!もっと気楽に連絡をよこしてくれてもいいじゃないか、博樹兄ちゃん!」
「貴浩!」
知憲住職から譲り受けた黒い法衣を身にまとった弟の貴浩が、そこにいた。

81 :代打名無し:02/10/07 13:37 ID:eaVCn67i
ごめんさい。また予定がいろいろ入って多分続きは今週金曜になります・・・
さっさとこの話は終わらせて、続編のストーリーに取り掛かりたかったんすが。
やっぱ予定は未定。前回もこんな感じだったっすね、そういえば。

時系列的にこの話がラストになることは見えてきました。今、わからない謎の
部分は、すべて続編に答えが隠されています。
(続編と今やってる番外編と時系列が逆なのも書きづらい理由の一つれす。)
前回ほどすっきりするハッピーエンドじゃないっすが、こんなラストもありと
いうことで。次回住職&町田登場。

あと、いつもいつも捕手をありがとうございますm(_ _)m 最近なかなか
プロ野球板にもお邪魔できない状態なんすが、あっちの仕事ともどもラストまで
ちゃんと責任もってやりますで。何か意見やリクエスト等ありますたら、
遠慮のういってくんさい。

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